お知らせ
2026年はカイ・ボイスン生誕150周年。

Kay Bojesen(1886年8月15日- 1958年8月28日)
弊社のブログでも度々登場するカイ・ボイスン。1886年産まれの彼は今年で生誕140周年。
彼の代表作でもある、あのモンキーがデザインされ販売されたのが1951年頃。75年経った今でも世界中で販売され続けています。カトラリーからインテリアまで世界中で愛されるそのデザインの魅力とは?
過去記事
2024.10.21 いろんな所にひっかけて遊ぶ、超ロングセラー、Kay Bojesen(カイ・ボイスン)のモンキー。
2026.01.21 デンマーク王室御用達であり、世界各国のデンマーク大使館でも使用されているKay Bojesen (カイ・ボイスン)のカトラリー実は新潟県燕市で製造。
2026.04.13 いつもの鍵が、愛らしい相棒に。持ち歩く、北欧の小さな木製モンキー。Kay Bojesen(カイ・ボイスン)モンキーキーホルダー
2026.07.24 カトラリーって面白い
2026.07.31 世界トップクラスのカトラリーを製造する【片力商事 トリオ事業部様】の工場に行ってまいりました

彼のデザイン哲学の信条は「丸みがあり、柔らかく、手に持ったときの心地よさを大切に」常に子ども達の目線で見てユーモアをデザインに落とし込んでいます。どれもシンプルなフォルムで、余計な装飾がありません。 「素材そのものの美しさや、職⼈の⼿仕事のあたたかさが⽬⽴つように」という、カイ・ボイスンのこだわりが由来しています。
この「職人の手仕事」にもこだわりを持ち、デンマークのさまざまな職人のいる製造会社によって製造されました。そのうちの1つを例にあげると、デンマークのフュン島のニューボー近郊のランゲスコフ・レゲトイスファブリック(Langeskov Legetøjsfabrik)でした。この工場は、車、列車、馬、兵隊など、カイ・ボウスンの玩具の幅広い種類を製造しました。彼の玩具の一部は、アメリカではBoysen Toysという名前で販売され、オランダとスウェーデンでもライセンスを委託した工場によって生産されました。
これにより、その国の職人により生産と販売がすすんでいきます。ですが残念ながら、カイ・ボイスンの玩具デザインのいくつかは他の企業によって違法にコピーされ、販売されました。彼は特許を守るための訴訟で多くの時間と費用を費やす事になります。
・Line skal smile(線は微笑まなければならない)
動物の木製玩具をデザインした時の信条です。重要なのは、動物の写実的な再現ではなく、その本質を捉えた愛らしさと温かみの表現であるという事です。
・木製の動物は本物の動物の真似であってはならない
もう一つの信念は、デザインにおける抽象化と単純化を重んじる姿勢を示しています。写実よりも、子どもの世界に根ざした想像力、このおもちゃを見て子どもが色を想像したり、動きを想像したりする想像力を培って欲しいという想いもこめられています。

1931年、カイ・ボイスン45歳の時、デン・パーマネンテ(Den Permanente)というショップをデンマーク、コペンハーゲンにOPENします。北欧の優れたデザインや工芸品の展示と販売を担うお店で現代のデザイン・センターの先駆けともいえる活動を開始しています。
時、同じくして19世紀イギリスではウィリアム・モリスが提唱している、アーツ&クラフツ運動や日本でも1926年、柳宗悦の民藝運動など18世紀中ごろから19世紀まで世界中で勃興した産業革命による製造の工業化によって工芸、職人の手仕事が見直されているムーブが起こっていると考えます。
彼のデン・パーマネンテにより、今日のデンマーク=デザインのイメージが定着していったと言われております。
自身のデザイン、製品を販売するよりもデンマークデザインの底上げ、勃興を先に考え行動した結果といえると思います。
カイ・ボイスンの名が一躍世界に知られるようになったのは、1938年にシルバー(銀)用にデザインされたカトラリー。戦時状況下で銀の供給が困難だったことから、当時珍しかったステンレスを用いて制作、1951年のミラノ・トリエンナーレ展に出品したところ、3年連続で最優秀賞受賞という快挙を遂げたのです。それにちなんで、「Grand Prix (グラン・プリ)」と名付けられたこのステンレスカトラリーは、デンマーク王室御用達にも認定されています。

Grand Prix(グランプリ)はフランス語で大賞や最高賞を意味する言葉です。同じく、ミラノ・トリエンナーレで最高賞を受賞しらデンマークのアルネ・ヤコブセン、グランプリチェアも有名です。
カイ・ボイスンのGrand Prix(グランプリ)は機能美と温もりを両立させ、「主役はあくまで料理や人である」という控えめで完璧な美しさを目指した、デンマーク・デザインの哲学が詰まっています。
・主役を引き立てるデザイン
料理や料理を食べる人が主役であり「これはどうだ!」という世の中をアッと驚かせるデザインでは無く、使う人の手や口、そして料理を引き立てるシンプルなデザインです。
・手に馴染む心地よさ
実は計算しつくされたデザインで持ちやすい柄と身の重心とバランス、滑らかな手触りを追求しました。
・素材の進化
元々はシルバー用としてデザインされたが、第二次世界大戦、戦時中の金属不足や銀、金属価格高騰など当時の社会問題解決としてステンレス製への移行を決断、今日もカトラリーのスタンダード素材はステンレス。
使う人の気持から買う人の気持、買いやすいカトラリーの方がより多くの人々に使ってもらえる。素材までトータルでデザインする姿勢は今のデザイナーでもなかなか居ないと思います。

改めて彼のデザインについて見直すと、人となりが見えてくるような気がします。
私はカイ・ボイスンのデザインを感じるには、手頃な価格で購入できるこのカトラリーから使ってみる事をお勧めしたいと思います。
営業部/本多